ジオパークフロア / 館内1F
貴重な地質遺産のジオ、大地がもたらしたジオなど、香美町ジオスポットのすべての魅力を紹介。実物の化石も展示しています。
日本列島の成り立ち
山陰海岸ジオパークには太古の昔、日本列島がアジア大陸の一部であった時代から、日本海が形成され現在にいたるまでの自然の歴史が残されています。山陰海岸ジオパークの大地が形成される過程は、大きくとらえて 「日本がまだ大陸の一部だった時代」「大陸から分かれ日本海ができる時代」「日本列島ができてから現在までの時代」の3つに 分けられます。
山陰海岸ジオパークとは
「ジオ(Geo)」は、地球や大地という意味の接頭語で、「ジオパーク(GeoPark)とは、科学的に見て特別に重要で貴重な、あるいは 美しい見どころを含む一種の自然の公園です。地質や地形は、地球の歴史や人の暮らしや文化に直接結びついています。この大地の 営みをひとつの遺産として学び、楽しむのがジオパークです。ジオパークの活動は2004年にユネスコの支援により設立された、世界ジオパークネットワーク(GGN)により取り組まれています。
香美町のジオスポット
中央の模型周囲のパネルでは、香美町の地勢情報を紹介。モニター映像やパネル、化石などを展示したケース、資料が納められた引き出しなどで構成。香美町のジオスポットを様々な角度から紹介。行ってみたいジオスポットをじっくり検討することができます。
石になった足跡化石
平成15(2003)年に、香美町で日本列島誕生(2,000万年前〜1,700万年前)の頃の大型ほ乳類、爬虫類、鳥類などの足跡化石が発見されました。足跡化石周辺の地層は、日本海の形成が始まった頃に河川や湖沼にたまった砂や泥が固まったものです。
香住海岸では、ワニ、ツル、サイ、ゾウ、シカなどの祖先の足跡が、また、村岡区入江ではゾウの祖先の足跡が発見されました。これによって、彼らの歩行や走行などの生態、また、九州北部から北陸までがつながっていた可能性や当時の環境などを知ることができます。
ジオが育んだ特産品
香美町の特産品を、関連するジオスポットの紹介パネルと合わせて、大型ケース内に展示。
日本海の幸
山陰海岸ジオパークの沖にある日本海の特徴は、日本列島が大陸から離れる時にできた起伏のある海底地形にあります。水深300m以下には水温 0〜1度の溶存酸素の多い「日本海固有水」があり、海面近くには対馬暖流が流れています。この2つの海水がプランクトンの豊富な好漁場をつくり出し、水深200〜400mあたりに生息するズワイガニ(松葉ガニ)と水深500〜2,500mに生息するベニズワイガニ(香住ガニ)の2種類のカニをはじめ、 イカ・ハマチ・アジ・ノドグロなど、豊かな海の幸を育んでいます。
■主な魚たちのいる水深
西ヶ岡・うへ山の棚田の幸
棚田は、「あぜ」で水を溜めた「たらい」をいくつも重ねたような形で、雨水が急な谷を一気に流れ出るのを防ぎ、水の出入りを調整して地すべりを防止する役割も担っています。四季折々のその景観の美しさから、西ヶ岡(村岡区和佐父)・うへ山(小代区貫田)の2つの棚田は、「日本の棚田百選」に選ばれています。
地すべり地形と棚田米
棚田の多くは、過去の地すべりによってできた緩い斜面を利用してつくられています。地すべりが発生した地域は湧水が多く、稲作に必要な水が豊富です。また、地すべりで崩れることによって土が深いところまで混ざり、土壌が豊かになります。棚田米は、このような土壌の条件に加え、山間のきれいな谷水と空気で育つこと、そして米の味を決めるとされる、稲が熟す時期にもっとも気温差が大きくなることによって米の糖度が増し、甘くておいしい米に仕上がります。
実験コーナー
地形・地質に関する事柄を簡単な装置で体験することができるコーナー。地層のでき方、断層・しゅう曲のしくみ、地震発生のしくみなど実際に実験して考えてみよう。